フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律
2015年4月に施工されたフロン排出抑制法により、フロンを使用しているすべての機器に点検が義務付けられました。
点検を怠った場合
点検を怠った場合、以下の罰則が所有者に科せられます。
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- フロン類をみだりに放出した場合
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1年以下の懲役または50万円以下の罰金
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- 機器の使用・破壊等に関する義務について、都道府県知事の命令に違反した場合
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50万円以下の罰金
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- 算定漏えい量の未報告・虚偽報告の場合
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10万円以下の過料
法改正の背景
2009年3月、経済産業省発表の調査委によると業務用冷凍空調機では年間、充填量比2~17%のフロンが漏えいにより大気へ排出されています。
その中でも、近年問題となっているのが代替フロンの使用時の漏えいです。
代替フロン等4ガスの中でも、HFCについては、冷凍空調機器の冷媒用途を中心に、CF、HCFCからHFCへの転換が進行していることから、排出量が急増すると見込まれています。
代替フロン等4ガス(京都議定書対象)の排出量推移
資料:(実績)温室効果ガス排出量インベントリ報告書、(推計値)経済産業省推計
冷媒1kgの温暖化影響は、レジ袋14万枚がもたらす環境負荷と同等です。
事業者がやるべきこと
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- 適切な場所への設置等
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機器の損傷などを防止するため、振動原がない場所への設置や点検設備が行えるよう空間の確保が必要となります。
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- 漏えいを発見した場合には、速やかに漏えい場所の特定及び修理を実施
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漏えいを発見した場合には、速やかに漏えい場所の特定及び修理を実施
適切な専門業者に修理、フロン類の充填を依頼することが必要となります。(60日以内)
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- 点検等の履歴の保存
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機器の点検・設備の履歴について機器ごとに記録簿に記録、廃棄までの記録簿を保存します。
点検の記録は、2020年4月1日施行により、機器を設置してから廃棄した後も3年間保存するよう改正されました。
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- フロン類算定漏えい量報告・公表制度
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機器の整備時にフロン類の充塡回収をした場合、充塡回収業者から充塡・回収証明書の交付を受け、それに基づきフロン類の漏えい量を算定します。
その結果、全事業所の漏えい量を合算して1,000CO -t/年以上の漏えいがあった場合、フロン類の漏えい量を国に対して報告する必要があります。
報告された漏えい量は、会社名とともに公表されます。
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- 機器廃棄時のフロン類回収の徹底
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不要となったフロン類の回収依頼、「改修依頼書」または「委託確認書」の交付、フロン類回収・再生・破壊に必要な費用は負担します。
フロン類の回収は都道府県に登録された第一種フロン類充填回収業者へ委託する義務があります。
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- 機器の「簡易点検」(四半期に1回以上)、及び点検の記録・保管
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本法では、全ての機器の所有者等の「管理者」に対して、使用するすべての業務用冷凍空調機器についての日常的に行う「簡易点検」を3か月に1回以上行うよう定めています。
また、点検した記録は、機器を設置してから廃棄した後も3年間の保存が求められています。
簡易点検は、2022年改正により、漏えい又は故障等を常時監視するシステム(常時監視システム)のうち、基準に適合するものを用いて、漏えい又は故障等を早期に発見するために必要な措置が講じられている場合は、検査(簡易点検)に代えることができるようになりました。
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- 機器の「定期点検」、及び点検の記録・保管(一定規模以上の機器が対象)
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以下の通り一定規模(7.5kw)以上の機器については、専門業者など有資格者による「定期点検」が義務化されています。
また、点検した記録は、機器を設置してから廃棄した後も3年間の保存が求められています。
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業務用エアコン[7.5~50kw]…3年に1回以上
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業務用エアコン[50kw以上]…1年に1回以上
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業務用冷凍冷蔵庫[7.5kw以上]…1年に1回以上
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第一種特定製品の設置場所別の種類の例
設置場所 | 機器種類の例 | |
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スーパー 百貨店 コンビニエンスストア | 全体 |
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食品売り場 |
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バックヤード | プレハブ冷蔵庫(冷凍冷蔵ユニット) | |
生花売り場 | フラワーショーケース | |
公共施設 | オフィスビル |
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各種ホール | ||
役所 | ||
レストラン 飲食店 各種小売店 | 魚屋 肉屋 果物屋 食料品 薬局 花屋 |
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工場 倉庫等 | 工場 倉庫 |
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学校等 | 学校 病院 |
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運輸機械 | 鉄道 | 鉄道車両用空調機 |
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船舶 |
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航空機 | 航空機用空調機 | |
自動車 |
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