ではなぜフロンガスがいけないのでしょうか?
オゾン層破壊
フロンガスとは、もともと自然界には存在しておらず、私たち人間が作り出したものです。作られた当初は、人間に対する害がなく冷媒として最適の物として持て囃され、ヘアースプレーなどのスプレー缶にも使用されていました。また、精密機器の洗浄液としてもフロンガスの多くが使われるようになりました。
ところが1970年代なかば、このフロンガスがオゾン層を破壊することが判明します。そこで半導体業界は1980年代に入ると一斉にフロンガス使用をやめました。
対して冷凍機業界は、なかなか代替えの物を開発できませんでした。また、空調機・冷蔵庫という性質上、今設置されている機械を廃棄することが困難で代替フロンの置換が進みませんでした。
1987年モントリオール議定書においてオゾン層を破壊する物質を規制する議定書が採択されました。
冷凍機業界は、代替フロンへの切り替えを促進しました。
フロンガスのR22は、オゾン層を破壊する性質を持っていますが、オゾン層破壊の影響が小さいので2020年までの猶予期間が設けられました。(R22の生産)
温室効果ガス
1997年京都議定書によって温室効果ガスの削減が定められました。温室効果ガスとは、二酸化炭素、フロンガスなど地上の赤外線を吸収して地球を高温の状態に保とうとするガスのことです。
代表的な温暖化係数
[table “62” not found /]これは二酸化炭素を基準に換算されたものです。
フロンガスは、最大14,800倍(二酸化炭素に対して)とかなり大きな数値となっています。フロンガスの種類別でも、大きな差があるのでご紹介します。
冷媒特性比較
[table “63” not found /]この中でR22は先ほど紹介した冷媒、R410Aは、最近まで主流だった冷媒です。
R32は、現在家庭用空調機ではほぼ100%、業務用空調機でも少しずつ採用され始めています。また、R443Aはまだ開発中の冷媒で、これからの製品です。
まだ、この温暖化係数が不確定なので、多少の変動はあるのですが地球温暖化に対してはよくないものには違いありません。しかし、フロンガスをなくすことはしばらく難しいようです。
最近、R22の機械を入れ替える工事が多くなってきています。R22のフロンガスが手に入りにくく、修理もしにくくなっています。手元にR22の機械がないか一度確認してみてはいかがでしょうか?
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