労働基準監督署(労基)の調査が入る3つのパターン
- 定期監督
- 計画的に実施される調査です。
企業の選定は「地方労働行政運営方針」に基づいて各都道府県で重点方針を決めています。 - 災害時監督
- 労働災害が発生した時の調査です。
労働災害の原因究明と再発防止を目的とします。 - 申告監督
- 労働者からの申告で実施される調査です。
平成27年度は臨検監督実施件数169,236件に対して、申告監督数22,312件(13.2%)となっています。 内容としては、賃金不払いや解雇の申告が圧倒的に多いですが、安全基準の申告もここに含まれます。
定期監督で局排設備の不備を指摘される場合がほとんどですが、作業従事者に健康被害が発生して労基に情報提供がある場合もあります。
調査後に是正勧告書を交付
調査で法令違反があった場合に交付されます。違反事項と是正期日が記載されています。この中に、局排設備の違反事項も記載されていますので是正期日までに改善が必要となります。交付を受ける際は、署名捺印を求められます。
局排設備の確認ポイント
- 定期自主検査の実施(年1回の性能点検や6カ月に1回の機能点検)
- 特殊健康診断の実施
- 作業主任者の選任と掲示
- 有機溶剤や特化物の人体に及ぼす作用等の掲示
- 有機溶剤や特化物の区分表示
違反事項の改善
是正勧告は行政指導なので、法的強制力はありません。しかし、悪質と判断された場合は検察庁から書類送検される可能性がありますのでしっかりと改善してください。
まとめ
局排設備は、作業従事者の健康を守るために大事なものですが、生産設備などと比較すると設備投資の優先順位が低いというのが現実です。局排設備の改修は、直接的な生産性の向上にはならないかもしれませんが、職場環境の改善になることは間違いありません。
是正勧告を受ける前に、局排設備をもう一度見直してみてください。