近年では地球温暖化の影響などもあり、空調機の稼働率は増加傾向にあります、特に真夏や真冬においては、空調機の利用なくしてはオフィスワークが困難といっても過言ではない状況です。
したがって、空調機をいかに省エネ化していくかが、オフィスにおける節電対策のもっとも重要なポイントといえるでしょう。
しかし、空調機の仕組みは複雑でわかりにくく、具体的にどのような対策が省エネに繋がるのか、理解できていない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、オフィスビルにおける空調機の省エネ性を高める3つのポイントについて解説していきます。
ポイント①空調機の設定温度を見直す
まずはわかりやすい省エネ対策から説明します。空調機を省エネ化するうえで、もっとも簡単なのは、設定温度を見直すことです。
一般的には、設定温度を1℃調整することにより、約10%の省エネ効果が見込まれるといわれています。
そのため、ビル全体で設定温度を見直せば、電気料金を大きく削減できるでしょう。
もちろん、明らかに暑すぎたり寒すぎたりする環境の中で、我慢して仕事する必要はなく、適切な室温になるよう調整しなければなりません。
オフィス内の室温の目安としては、下記の基準があることを覚えておいてください。
・環境省の推奨する室温⇒夏期 28℃、冬期20℃
・建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管法)の基準⇒17℃以上28℃以下
基本的には上記を保っていれば、オフィス環境として問題はありませんので、室温を意識して空調機を使い過ぎないように心がけましょう。
ポイント②空調機の定期的なメンテナンス
次に空調機のメンテナンスによる省エネ効果について解説します。オフィスビルで利用されている業務用エアコンは、定期的なフィルター清掃や交換、本体の分解洗浄などを行う必要があります。
フィルターにも、プレフィルター、中性能フィルター、HEPAフィルターなどいくつか種類があり、清掃や交換の目安はそれぞれによって異なります。
通常のオフィスビルでは、プレフィルターか中性能フィルターを使用しているケースが多いですが、どのようなフィルターを使っているか、一度確認することをおすすめします。
メンテナンスに関して、中性能フィルター、HEPAフィルターは交換が必要ですが、プレフィルターは定期的な清掃によって対応します。
空調機の運転時間やオフィスの利用状況にもよりますが、プレフィルターの清掃回数は年4回程度が望ましいとされています。
もし清掃を怠ると、フィルターが目詰まりを起こし、空調の効きが悪くなってしまいます。
効きが悪くなっても、空調機は設定温度に到達するまで動き続けますので、余計なエネルギーが消費されます。
その結果、電気料金が上がるだけでなく、空調機の故障や劣化にも繋がります。
以上のことから、ご自身のオフィスで使用している空調機のフィルターの種類と、メンテナンス状況の把握は、省エネ性を考えるうえで重要な要素になってくるのです。
またフィルターの清掃だけでなく、室内機、室外機本体の分解洗浄も定期的に行うことをおすすめします。
こちらも空調機の運転時間、オフィスの利用状況によって大きく変わりますが、2~3年に1回程度の洗浄を目安として考えておきましょう。 なお、空調機の分解洗浄を行うためには高い技術力が要求されますので、信頼できる専門業者へ依頼するようにしましょう。
ポイント③空調機の省エネ化工事
最新の空調機は機能性、省エネ性の高い製品が多いですが、既存の空調機を最新のものに更新する場合、高いコストが掛かります。そこでおすすめしたいのが、空調機の省エネ化工事です。
特に効果的な省エネ化工事の一例として、デマンド制御装置の導入があります。
デマンド制御装置とは、電力値を常に監視し、設定された値を超えないように警告や自動制御を行う省エネ支援機器のことです。
デマンド制御装置を導入すれば、電気料金の内訳のうち、「基本料金」の削減を図ることが可能です。
基本料金を算出するうえで基準となる契約電力は、過去1年間の最大デマンドによって決まりますが、デマンド制御装置により最大デマンド値を低く保つことができれば、契約電力を抑えることができるためです。
導入には費用が掛かりますが、少なくとも空調機本体を更新するよりは少ない費用で済みますので、空調機の省エネ化に有効な手段といえるでしょう。
まとめ
以上、空調機の省エネ化のポイントを解説してきました。この他にも省エネ化の方策はたくさんありますが、まずは今回紹介した3つのポイントを抑えることが重要です。
本記事が皆様の利用するオフィスの省エネ性の向上に繋がれば幸いです。
弊社では、業務用エアコンの修理・点検を行っています。急なお困りごとやご相談、ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。