シーズンオフにやるエアコン掃除を大公開!
カビがもたらす健康への被害や病気、カビの発生原因、掃除の仕方を見ていきましょう。
エアコンのカビが及ぼす健康被害・病気のリスク
カビは胞子により繁殖します。エアコンの風によりカビ胞子が部屋中にばらまかれます。そのカビ胞子を吸い込むことで咳やアレルギー症状を引き起こし、最悪の場合「夏型過敏性肺炎」などの病気になってしまう可能性があります。特に赤ちゃんから小学生ぐらいのお子さんの場合、大人に比べて免疫力や耐性が低いので、喘息や肺炎などの病気に苦しむリスクが非常に高くなります。エアコンのカビが引き起こす症状
エアコンのカビが原因で起こる症状を5つ紹介します。1.気管支炎喘息
大人の喘息の原因は非アレルギー性のものが多いですが、小児喘息は大半の場合がアレルギー性です。アレルゲンの原因の一つにカビがあります。エアコンからのカビ胞子を吸い込むことで気管支が炎症を起こし、ゼイゼイ・ヒューヒューといった呼吸や咳がひどいときは呼吸困難といった喘息の症状を引き起こします。
2.アトピー性皮膚炎
エアコンがまき散らすカビは皮膚にも付着します。カビが人間の皮膚を住処として繁殖することにより、アトピー性皮膚炎に独特のかゆみと赤みを引き起こします。3.アレルギー性結膜炎
エアコンからのカビは目の周りや目の粘膜にも付着します。目の周りが赤くなり、白目が充血しかゆみを引き起こします。4.夏型過敏性肺炎
通常の肺炎は細菌やウイルスが原因ですが「夏型過敏性肺炎」はエアコンに生息しているカビの一種「トリコスポロン」により引き起こされる病気です。咳や発熱が典型的な症状なので、ただの風邪と間違われることが多いですが、毎年夏に発症する場合、夏型過敏性肺炎の可能性があります。慢性化すると、呼吸困難に陥ることもあるので注意が必要です。
5.アレルギー性気管支肺炎アスベルギルス症
この病気は喘息を持っている方にのみ発症します。症状は喘息と大きく変わらないのですが、普通の喘息患者と比べて薬の効きが悪いという特徴があります。呼吸困難に陥った時、薬の効きが悪いのは命にかかわるので、かなり注意が必要です。エアコンにカビが生える原因は?
カビが原因で起こる症状を紹介しましたが、なぜカビがエアコン内に生えるのでしょうか。その原因を見ていきましょう。カビが発生する環境の特徴
カビが発生しやすい環境の特徴は3点あります。1.温度
2.湿度
3.ホコリ
なぜ、上記の点でカビが発生しやすいのか一つずつ解説していきましょう。
1.温度
カビが発生しやすい温度は大体20~30℃といわれています。夏場のエアコンの設定温度は、まさしくカビが発生しやすい温度の範囲内であるので、エアコン内はカビの温床になりやすいのです。2.湿度
カビは湿度60%を超えると、発生しやすくなります。梅雨の時期や夏場の平均湿度は約70%前後になり、カビの発生しやすい60%を超えています。エアコン運転で室内の湿度は下がるかもしれませんが、エアコン内部には除湿した分の水分が溜まるのでエアコン内部の湿度は下がらずむしろ上がってしまい、90%以上の湿度になります。
3.ホコリ・汚れ
カビが増殖するには高湿度の環境にある「水分」、「養分」となるホコリや汚れが必要になります。ホコリはエアコンを使用していないときは溜まり、使用中でもフィルターをすり抜けエアコン内部にホコリが溜まることもあります。養分となるホコリが自動的に溜まってしまうエアコンは、カビにとって絶好の住処となります。エアコンのカビ発生の防止対策
では、カビ発生を防止するには具体的に何をすれば効果的なのか、3つの対策を見ていきましょう。1.送風運転
エアコンの冷房機能・除湿機能はエアコン内部の水分増加や湿度上昇につながります。湿度とホコリの両条件が揃うとカビが増殖を始めるので、それを避けるために送風運転機能を使用しましょう。送風運転は室内の気温を下げる機能ではないため、冷却フィン(熱交換器)は稼働しません。なので、エアコン内部に結露が生じることなく、エアコン内部の湿気を排気できカビ発生の防止につながります。2.換気
積極的に室内を換気しましょう。換気をすることでカビの発生原因の一つでもある空気中のホコリを減らすことができます。3.定期的な掃除
エアコンについているフィルターもホコリが溜まりすぎるとエアコン内部にホコリや汚れが侵入し、カビが発生する原因の一つになります。エアコン全体を定期的に掃除するのは厳しいかもしれませんが、フィルターを月に一回掃除をすることで、カビ発生を防止・抑制することができます。エアコンに生えたカビの掃除方法
フィルターや熱交換器が汚れていると冷房の効率が悪くなり光熱費がかさんでしまいます。
業務用エアコンの性能を維持し、消費電力も抑えるためには、定期的な清掃・洗浄が必要です。
業務用エアコンの性能を維持し、消費電力も抑えるためには、定期的な清掃・洗浄が必要です。
では、どのように掃除をすればいいのか簡単に説明していきます。
1.フィルター掃除
①エアコンの前面についているカバーを取外します。※取外したときにホコリが舞い散らないように、フィルターのホコリを掃除機で吸い込みます。
②フィルターを水洗いします。
※水のみで落ち切らない場合のみスポンジや洗剤を使用しましょう。スポンジや洗剤を使用するとフィルターが劣化する原因になります。
③軽く水気をふき取り、乾燥させます。
④乾燥したらフィルターをもとの位置に戻します。
※少しでも水気が残っているとホコリが溜まりやすくなるので注意が必要です。
2.フィンのカビ掃除
①エアコンのコンセントを抜きます。※エアコン内部に触れるので電源は必ず切りましょう。
②パネルとフィルターをフィルター掃除で説明した手順で取外した後、全体についている枠を取外します。
③フィン部分の掃除の際、電装部分(②で取外した枠の裏側)に水分が入ると故障の原因になるのでビニールとテープで覆い養生します。
フィンはアルミで比較的もろいので、掃除機で汚れを吸い取るのは控えましょう。
※フィンの部分が曲がってしまうとエアコンの性能が落ちてしまいます。
④フィンの部分に洗浄液スプレーを吹きかけます。洗浄液はドレンパンを通って外に排出されます。
※乾燥させることが大事なので、エアコンの送風モードを用いて乾燥させます。
3.吹き出し口・送風ファンのカビ掃除
①洗浄液が垂れてきてもいいようにビニール袋などで養生します。※フィン部分と違って、吹き出し口に洗浄液を吹きかけても外に排出されず垂れてきます。※養生したビニール袋に排水が溜まるように、もしくは排水がビニールを通ってバケツにたまるように工夫してもいいでしょう。
②吹き出し口の奥に見える黒いファンに洗浄液をスプレーします。
※送風ファンは回転するので、ブラシなどを用いて回転させファン全体に洗浄液をスプレーします。
③スプレーを終えたらスポンジや歯ブラシ、綿棒を使用して全面のカビや汚れを落としていきます。この時に吹き出し口やドレンパンも同時に掃除しましょう。
④洗浄液もしくは霧吹きスプレー(水)を用いて、③で出た汚れを洗い流します。
⑤雑巾などの布で全体の水分をふき取った後、フィルターやフィンの場合と同様に乾燥させます。
まとめ
掃除の仕方はシンプルですが、何よりエアコンが故障しないために、もしくは洗浄液の垂れを防ぐためにエアコンを養生するのでかなり手間がかかります。うまくいかなかった場合にはエアコンが壊れてしまうというリスクが大きな不安要素だと思います。また送風ファンの掃除は、ファン全体を掃除するため腕を長時間あげておかないといけないので、かなり大変です。エアコンの分解洗浄はプロにお任せください。エアコンの分解洗浄について質問、疑問等がありましたら、お気軽にお問い合わせください。