1~2月頃、真冬の時期に送られてきた電気代の請求書を見て、金額の大きさに驚いてしまった経験のある人も少なくないでしょう。
しかし電気料金の大部分を占めるエアコンの稼働時間は、夏でも冬でもあまり変わりません。
ではなぜ料金にはっきりとした違いが出るのでしょうか。
また、大型の業務用エアコンを使用するオフィスでは、どのようにすれば電気料金を抑えられるのでしょうか。
今回はそんな疑問について解説します。
冬の電気料金が高くなる理由とは?
冬の電気料金が高くなる一番の理由は、エアコンの消費電力が冬のほうが大きいためです。エアコンの冷房と暖房の設定の違いによって、消費電力が大幅に変わることはありませんが、一般的に冬のほうが外気温とエアコン設定温度の差が大きくなる場合が多いです。
温度差が大きければ、それだけエアコンに負荷が掛かり、消費電力も高くなります。
たとえば、東京都の場合で考えてみると、真夏の最高気温は35度前後ですが、真冬の場合、最低気温は2度前後です。
それぞれの時期に、エアコン設定を推奨温度(28度、20度)にして運転した場合の温度差を算出してみましょう。
・真夏の外気温35度 - 冷房設定温度28度 = 温度差7度
・真冬の外気温2度 - 暖房設定温度20度 = 温度差18度
明らかに暖房のほうが温度差が大きいのがわかります。
エアコンは運転開始から、室温を設定温度に到達させるまでの時間に、もっとも多くの電力を消費します。
そのため温度差が大きければ、それに応じて消費電力が高くなるのです。
業務用エアコンは省エネ工事により消費電力削減が可能
次にオフィスビルなどで使用する業務用エアコンの電気料金削減について解説します。業務用エアコンは家庭用と比較して容量が大きく、稼働時間も長いため、専門業者による定期的なメンテナンスを怠らないことも重要です。
あまりにも電気料金が高い場合は、故障の可能性もありますので、疑わしいときは専門業者に連絡し、状況に応じて修理手配をかけましょう。
また、業務用エアコンは省エネ工事を実施することにより、電気料金を削減できる場合があります。
以下に代表的な省エネ工事2種類を紹介します。
デマンド制御装置を導入する
デマンドとは30分間の平均電力のことで、デマンド制御装置とは電力値を常に監視し、設定された値を超えないように警告や自動制御を行う省エネ支援機器です。電気料金の内訳には、「基本料金」と「電力量料金」の2つがあります。
「電力量料金」は毎月の使用量に応じて算出されますが、「基本料金」は契約電力を基準として算出される料金で、原則として1年間は固定です。
基本料金を算出するうえで基準となる契約電力は、過去1年間の最大デマンドによって決まります。
つまり、デマンド制御装置を導入し、デマンド値を低く保つことができれば、基本料金を抑えられ、結果、電気料金の削減に繋がるわけです。
エアコンをインバータ型へ更新する
業務用エアコンは室外機に搭載されている圧縮機(コンプレッサー)の方式によって、省エネ性能が大きく変わります。かつては一定速型の圧縮機が主流でしたが、現在では温度変化に合わせて自動調節する性能を持ったインバータ型が増えています。
使用状況にもよりますが、インバータ型のエアコンは一定速型と比較して、電力使用量を大幅に下げることが可能です。
古いビルですと、一定速型のエアコンを使用している場合もありますので、その場合は省エネ性の高いインバータ型へ更新することをおすすめします。
インバータ型へ更新して電力使用量を下げることができれば、電気料金の内訳のうち「電力量料金」の削減が可能です。
電気料金やエアコンの仕組みに興味を持とう!
以上が、冬の電気代が高くなる理由と、業務用エアコン省エネ化の解説です。電気料金やエアコンの仕組みは、普通に生活しているうえでは、あまり考えないことかもしれません。
しかし電気料金は毎月発生するものですから、仕組みをしっかりと把握しておけば、大幅な経費削減に繋がる可能性もあります。
是非この記事をきっかけに、電気料金やエアコンの仕組みに興味を持ち、有効的な活用に努めていただければ幸いです。
弊社は、業務用エアコンの修理・点検を行っています。急なお困りごとやご相談、ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。